犬図鑑大工の腕は、耳でわかる。

グレ子とわさお拾われた猫と犬の奇妙で幸せな日々【電子書籍】[ 菊谷節子 ]

＜p＞テレビやブログで大人気！元祖ブサかわ犬わさおと心の友グレ子、仲良し2匹のゆるかわフォトブック。

＜/p＞＜p＞以下、「グレ子とわさおと飼い主かあさん（菊谷節子）」より＜/p＞＜p＞　わさおは9年前の11月、近くの「海の駅」に捨てられてたの。

生まれて5か月くらいだったな。

＜br /＞体も大きくてね。

お客さんが買った魚をとろうとして暴れてた。

誰も手つけられなかったの。

みんなで集まって保健所さ電話するって言ってさ。

＜br /＞　そんなところに、たまたまわっし（＝私）が「海の駅」に言ったのさ。

わっしが捨て犬ばっかり育てて、犬好きなことをみんなは知ってるから、＜br /＞「菊谷が来た、この犬持ってってくれ」って。

でも、なぁんも首輪もやって（＝つけて）ないから捕まえられないのさ。

＜br /＞　それで、そのとき連れていた犬のチビの首輪を外して、持っていたチビのエサをやったの。

腹すいてるでしょ。

いっぱいやれば満足して逃げるから、＜br /＞ちょこっとだけやって「もっと食べたいよ」って首あげたときがチャンスなの。

油断しているところを、シャッと首輪やって連れて来たの。

＜br /＞　実はその頃ね、うちのおとさんに誓約書みたいの書かされてたの。

それまでも何十匹も犬や猫飼って、エサだとか、病気だとかで店のお金もみんなつかってたから。

「この次、犬猫連れてきたら、全部連れて出てけ！」って言われてたんだわ。

＜br /＞　でも、この白い子犬は見捨てられなかったね。

わっしが見捨てれば、保健所さ連れていかれて、命なくなる。

誓約書破るしかね、なんとかなるべ、と。

最終的におとさんが折れてね。

＜br /＞　わさおは、そのときのこと覚えてる。

忘れないの。

いまでもおとさんがわっしのこと怒ればね。

「怒られてて大丈夫か？」って、わさおなりにわっしをかばう。

だから、おとさんにうなるのさ（笑）。

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